近年、電気料金の高騰や脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速する中で、多くの企業がオフィスの節電対策を重要課題として位置づけています。特に中小企業では、毎月の電気代が経営を圧迫する大きな要因となっており、無駄な消費を減らしつつ快適性や生産性を保つことが求められています。

一般的なオフィスビルの電力消費は、空調・照明・OA機器が中心となっており、これらを効率的に管理することが電気代削減のカギになります。

本記事ではオフィスの節電対策をメインテーマに、具体的な手順や導入事例、費用対効果の考え方まで徹底解説します。さらに、自治体や国の省エネ助成金を活用する方法や、電力使用量を見える化して改善するPDCAの仕組みも紹介。「いますぐ始められる方法」と「中長期で取り組むべき投資」の両面をカバーすることで、電気代削減と環境負荷低減の両立を目指せます。

目次
  1. オフィスの節電対策|全体像と基本戦略
    1. オフィスの節電が重要な理由
    2. 節電のKPIと目標設定方法
    3. 小さな改善で効果が出る優先順位の付け方
  2. オフィス空調の省エネ実践法
    1. 空調の基本と消費電力量の見積もり
    2. 設定温度・運転時間の最適化
    3. 高効率空調機器(インバータ・熱回収)の比較と導入判断
    4. 設置・メンテナンスがもたらす節電効果
  3. 照明(LED導入)と照明制御の最適化
    1. 照度測定による現状評価
    2. LEDへの交換メリットと回収年数
    3. メーカー別の比較ポイント
    4. 人感センサー・調光・ゾーニングによる運用改善
  4. 電気代削減のためのIT・OA機器対策
    1. PC・サーバ・プリンタの消費電力削減
    2. 電源管理の仕組みを整える
    3. クラウド移行や仮想化が与える電力影響の評価
  5. 電力使用量の分析
    1. メーター・スマートメーター・サブメータリングの導入方法
    2. データの分析ポイント
    3. 定量的な効果検証とレポーティング
  6. オフィス向け助成金・補助金の活用法
    1. 主要助成金・補助制度の概略
    2. 申請の流れ、必要書類、よくある落とし穴
    3. 助成金を見据えた投資計画の立て方
  7. 節電ロードマップ・テンプレート
    1. 6か月でできる計画ロードマップ
    2. KPIつきの実行テンプレート
  8. まとめ|オフィスの節電を実現するために
    1. 今日からできる3つのポイント
    2. 効果測定の短期・中期の目安
    3. よくある質問(FAQ)

オフィスの節電対策|全体像と基本戦略

オフィスの節電は「思いつきの取り組み」を積み重ねるだけでは効果が限定的です。まずは全体像を理解し、戦略的に計画を立てることが成功の第一歩です。この章では、なぜ今オフィスでの節電が重要なのか、どのように目標を設定すべきか、小さな改善を積み重ねるための優先順位の付け方を解説します。

オフィスの節電が重要な理由

電気代の削減は、企業にとって直接的なコストメリットがあります。近年の電気料金は燃料費や為替の影響を受けて高止まりしており、契約電力の見直しやピークカットを実行することで年間数十万円単位の削減につながります。

また、節電はCSR(企業の社会的責任)BCP(事業継続計画)の観点からも重要です。停電や電力供給制約に備え、省エネ型の設備や自家発電の仕組みを取り入れることは、リスク管理としても評価されます。

なお、空調や照明の更新に加え、再生可能エネルギーの導入も中長期的な節電対策として有効です。特にオフィスで自家消費型太陽光発電を取り入れることで、電気代削減と脱炭素経営を同時に実現できます。詳しくは下記の記事をご覧ください。
👉 自家消費型太陽光発電とは?メリットとデメリットを徹底解説!

節電のKPIと目標設定方法

節電を実効的に進めるには、KPI(重要業績評価指標)を設定することが欠かせません。代表的な指標には以下があります。

  • 年間総消費電力量(kWh)
  • ピーク時の最大需要電力(kW)
  • 1人あたりまたは1㎡あたりの消費電力

例えば「年間消費電力量を前年比10%削減する」や「夏季ピーク時の最大需要電力を15%抑える」など、具体的かつ測定可能な目標を設定することで、組織全体で取り組みやすくなります。

小さな改善で効果が出る優先順位の付け方

節電対策を計画する際には、ROI(投資対効果)を基準に優先順位を決めると効率的です。例えば、設定温度を1℃見直すだけで空調の消費電力は約10%削減できるとされています。こうした「低コストで即効性のある施策」を先に実行し、その後にLED導入や高効率空調設備への投資といった中長期施策に移行するとよいでしょう。

また、経営層や従業員への説明には「電気代の削減額」「投資回収年数」を数値で示すことが効果的です。数字に基づいた説明は納得感を高め、社内での協力体制を築きやすくなります。

省エネ型空調を導入したオフィスの節電対策(天井設置型エアコン)

オフィス空調の省エネ実践法

オフィスの電力消費では空調が大きな割合を占めており、特に夏季の夕方には全体の約半分に達します。そのため、空調の効率化は電気代削減に直結する重要な取り組みとされています(参考:資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー」

この章では、空調の基本原理から具体的な運用改善、高効率機器の比較、メンテナンスの重要性まで解説します。

空調の基本と消費電力量の見積もり

空調は「冷房時には室内の熱を外に逃がす」「暖房時には外の熱を室内に取り込む」という仕組みで動作します。そのため、使用する建物の断熱性能や気密性によって消費電力量が大きく変わります。一般的に、オフィス空調の目安としては1㎡あたり100〜150W程度が必要とされており、100㎡のフロアであれば10〜15kWの能力を持つ設備が必要になります。

電気代を算出する際は「消費電力(kW)× 稼働時間(h)× 電力単価」で計算できるため、まずは稼働実態を把握することが節電の第一歩です。

設定温度・運転時間の最適化

運用面で最も効果的な施策が設定温度の適正化です。設定温度を冷房で1℃上げる、または暖房で1℃下げるだけで、消費電力を約10%削減できるといわれています。

なお、環境省の推奨値では「夏季は冷房28℃、冬季は暖房20℃」が目安とされていますが、この数値はエアコンの設定温度ではなく、目指すべき室温の目安です。

エアコンの設定温度と実際の室温は異なり、部屋の断熱性能や日当たり、湿度、人の出入りなどのさまざまな要因によって変わります。そのため、設定温度をただ28℃や20℃に固定するのではなく、快適な室温になるようエアコンの設定を調整することが重要です。

さらに、昼休みや退勤後に空調を自動停止するスケジュール設定を導入することで、無駄な稼働を防げます。ある企業の事例では、空調タイマーの導入で年間20万円以上の電気代削減につながったと報告されています。

高効率空調機器(インバータ・熱回収)の比較と導入判断

既存の空調機器が10年以上経過している場合は、最新型への更新を検討することも有効です。特にインバータ制御方式の空調機器は、負荷に応じて出力を調整できるため、従来機より消費電力を大幅に抑制できます。

また、ビル用マルチエアコンに採用される熱回収型システムでは、冷房と暖房を同時に行う際に排熱を再利用できるため、エネルギー効率が向上します。導入コストは数百万円単位になるケースもありますが、補助金の活用や年間の電気代削減効果を考慮すると、5〜7年程度で投資回収できるケースが一般的です。

なお、倉庫や工場といった広いスペースを管理している場合は、産業用エアコンの選定が省エネ効果に直結します。詳しくは下記の記事を参考にしてください。
👉 産業用エアコンの選び方完全ガイド|工場・業務用空調の導入費用と省エネ対策まで解説

設置・メンテナンスがもたらす節電効果

空調機器は、設置環境やメンテナンスの有無によって効率が大きく左右されます。例えば、フィルター清掃を2週間に1回行うだけで冷暖房効率が5〜10%改善するとされています。

さらに、冷媒のガス漏れや汚れが放置されると能力低下や無駄な電力消費を招きます。定期点検を行い、冷媒の充填や熱交換器の洗浄を実施することが、長期的な節電効果につながります。清掃を怠っていたオフィスで点検を実施したところ、翌月の電気代が15%削減されたケースもあります。

このように、空調の節電対策は「設定温度・運転時間の見直し」「最新機器への更新」「定期的なメンテナンス」という3つの柱で進めることが効果的です。即効性のある施策と中長期的な投資を組み合わせることで、確実に成果を積み上げられます。

なお、大規模なオフィスや倉庫では、空調の効率を高めるためにHVLSファン(大型シーリングファン)を導入するケースも増えています。下記の記事で解説していますので、参考にご覧ください。
👉 HVLSファン徹底比較|2025年版おすすめ大型ファン7選と選び方完全ガイド

オフィスのLED照明による節電対策と省エネ効果のイメージ

照明(LED導入)と照明制御の最適化

オフィスにおける電力消費の約20%を占めるのが照明です。特に従来の蛍光灯や白熱電球を使用している場合、LED化や制御システムの導入によって大幅な節電効果が見込めます。この章では、現状診断の方法からLED導入の費用対効果、人感センサーや調光システムなどの制御技術の活用法までを解説します。

照度測定による現状評価

まずは照度測定による現状評価が欠かせません。オフィスではJIS規格で推奨される照度が500lx前後とされており、これを大きく上回る場合は明るすぎて無駄な電力を消費している可能性があります。

測定には専用の照度計が望ましいですが、最近ではスマートフォンのアプリでもおおよその数値を確認できます。測定を行うことで「会議室は過剰に明るい」「窓際は自然光で十分」といったムダを把握し、削減の優先順位をつけることが可能です。

LEDへの交換メリットと回収年数

蛍光灯をLEDに交換すると、消費電力を大きく減らすことができます。一般的には40〜60%ほどの削減が可能とされており、例えば40Wの蛍光灯をLEDに替えると20W前後になり、電気代がほぼ半分になるケースもあります(参考:Panasonic「LED照明器具との省エネ比較」)。

もし100本の照明をまとめて交換すれば、年間で数千kWhもの電力を節約でき、電気代にすると10万円以上安くなることもあります。

LEDの導入コストは1本あたり数千円〜1万円ほどが目安ですが、使用時間が長いオフィスや店舗なら2〜3年ほどで元が取れることが多いです。逆に、あまり点灯しない場所では回収に少し時間がかかることもあります。それでも、LEDは長寿命(おおよそ40,000時間)なので、蛍光灯のように何度も交換する必要がなく、交換の手間や費用も減らせるのが大きなメリットです。

LEDについては、下記の記事も参考にしてください。
👉 倉庫の照明を省エネ化するならLED!コスト削減と安全性を両立する選び方と導入ポイント

メーカー別の比較ポイント

LED照明はメーカーごとに性能や保証内容が異なります。代表的な比較ポイントは以下の通りです。

  • 寿命:一般的に40,000〜60,000時間。長寿命の製品は交換サイクルが減り、メンテナンスコスト削減に有効。
  • 保証期間:3年保証が標準だが、5〜7年保証の製品もあり、長期運用に安心。
  • 演色性(Ra値):数値が高いほど自然光に近い。オフィスではRa80以上が望ましい。
  • サポート体制:法人向けの導入サポートや施工ネットワークが充実しているメーカーを選ぶと安心。

製品選定の際には、単なる本体価格だけでなく、保証・寿命・電力効率を総合的に評価することが重要です。信頼できる電気工事業者と相談し、最適な製品を導入することが成功のポイントとなります。

人感センサー・調光・ゾーニングによる運用改善

LED化とあわせて有効なのが制御システムの導入です。

  • 人感センサー:人がいないとき自動で消灯する仕組み。会議室やトイレで効果大。
  • 調光システム:時間帯や外光に合わせて明るさを調整。快適性を維持しながら消費電力を削減。
  • ゾーニング:フロアをエリアごとに分けて照明を制御。使用頻度の低い場所だけ消灯できる。

ある企業では、人感センサーを導入したことで年間15%の照明電力削減を実現しました。導入コストは数万円〜数十万円程度ですが、無人時間帯の電力を大幅に削減できるため、高い費用対効果が期待できます。

このように、照明の節電対策は「現状の見える化」→「LED化」→「制御による運用改善」という流れで進めると効果的です。初期投資は必要ですが、短期的に投資回収が可能であり、中長期的には大きな電気代削減につながります。

オフィスでPCやプリンタの省エネ運用を行い電気代削減に取り組む様子

電気代削減のためのIT・OA機器対策

オフィスの電気代削減を考える上で、空調や照明に次いで重要なのがIT機器やOA機器です。パソコン、サーバ、プリンタ、複合機などは常時稼働することが多く、適切に運用を改善するだけで電気代を削減できます。この章では、機器ごとの具体的な節電方法やクラウド移行による効果について解説します。

PC・サーバ・プリンタの消費電力削減

パソコンやサーバは台数が多いため、ちょっとした工夫が大きな効果につながります。例えば以下の設定が有効です。

  • 省エネモードの活用:WindowsやMacにはスリープや自動休止モードの設定が可能。離席時に自動で移行するように設定。
  • ディスプレイの輝度調整:輝度を50%にすることで、消費電力を20〜30%削減できる可能性がある。
  • サーバの仮想化:物理サーバを統合し、台数を減らすことで年間数十万円規模の電力削減が期待できる。

プリンタや複合機で省エネモード(スリープモード)を有効にすると、通常の待機状態と比べて電力消費を大きく下げられる機種が多いです。さらに、不要な印刷を抑制する運用ルールと組み合わせれば、電力と用紙コストの両方を削減できます。

電源管理の仕組みを整える

複数台の機器を効率的に管理するには、電源管理の仕組みを整えることが有効です。

  • 集中スイッチ:タップ型のスイッチを導入することで、退社時にまとめて電源を落とせる。
  • スケジューリング:夜間や休日に自動的に電源を切る設定を行う。サーバやネットワーク機器は業務時間外に停止できる部分を見極める。
  • Wake on LAN:リモートから必要なときだけPCを起動できる仕組み。テレワークと組み合わせれば利便性と節電の両立が可能。

あるオフィスでは、PCの電源を一斉管理するシステムを導入した結果、年間で約12%の電気代削減につながりました。

クラウド移行や仮想化が与える電力影響の評価

近年はサーバやアプリケーションをクラウドサービスに移行するケースも増えています。クラウドを活用すれば、自社内で大型サーバを稼働させる必要がなくなり、電力や空調負荷を削減できます。

ただし、クラウドにもデータセンターの電力消費があるため、環境負荷がゼロになるわけではありません。重要なのは、自社のサーバ運用にかかる電力コストとクラウド利用料を比較し、費用対効果を検証することです。

また、クラウド移行によりオフィスの空調負荷が減少する副次効果もあります。サーバルームを廃止または縮小できれば、空調設備の電力も同時に削減できるため、二重の効果が期待できます。

このように、IT・OA機器の節電は「機器設定」「電源管理」「クラウド活用」という3つのアプローチで進めることが効果的です。特に初期投資が少なく即効性のある施策が多いため、すぐに取り組める分野といえるでしょう。

オフィスの電力使用量をグラフで分析し節電対策に活用するイメージ

電力使用量の分析

オフィスの節電対策を効果的に進めるには、まず現状の電力使用量を正確に把握することが欠かせません。計測データをもとに改善を行い、再び測定して検証する「PDCAサイクル」を回すことで、持続的な電気代削減につながります。この章では、電力使用量の計測方法、データの見方、効果検証のポイントを解説します。

メーター・スマートメーター・サブメータリングの導入方法

電力使用量の把握方法にはいくつかの段階があります。

  • 既存メーター:電力会社が設置するメインメーター。月単位の使用量は把握できるが、詳細分析には不十分。
  • スマートメーター:30分単位で使用量を取得できる。ピーク時間帯の把握に有効で、多くのオフィスに順次導入が進んでいる。
  • サブメータリング:フロアや部門ごとにメーターを追加設置。空調・照明・OA機器などの部門別の消費を分けて把握できる。

特に中規模以上のオフィスでは、サブメータリングによる「部署ごとの使用量見える化」が有効です。消費の多い部門を特定し、重点的に改善を進めることが可能になります。

データの分析ポイント

取得したデータは、単なる消費量の合計ではなく、時間帯ごとの使用パターンを分析することが重要です。

  • ピーク時間帯:特定の時間に電力使用が集中すると契約電力が上がり、基本料金が増加する。ピークシフトを行うことで大幅削減可能。
  • 負荷曲線:1日の電力使用をグラフ化したもの。業務時間外に使用が続いている場合は、無駄な稼働が疑われる。
  • 力率:電力の利用効率を示す指標。力率改善用コンデンサの設置で、契約電力を下げられるケースがある。

例えば、17時〜19時に空調と照明の使用が重なってピークを迎えている場合、照明の一部を消灯したり、空調設定を調整することで基本料金を抑制できます。

定量的な効果検証とレポーティング

節電対策の効果を明確に示すには、KPI(重要業績評価指標)を数値で管理することが重要です。代表的なKPIには以下があります。

  • 年間消費電力量(kWh)
  • ピーク電力(kW)
  • 部門ごとの消費割合(%)
  • 電気代削減額(円)

これらをダッシュボード形式で可視化することで、経営層や従業員にわかりやすく共有できます。例えば「前年比10%削減」「夏季ピークを15%抑制」などの成果をグラフで示せば、社内のモチベーションも高まります。

また、効果検証の際には「before/after」の単純比較だけでなく、気温や稼働日数といった外的要因を考慮することも重要です。これにより、正確な効果を把握し、次の改善施策に反映できます。

このように、電力使用量の分析は「計測 → 可視化 → 改善 → 検証」のサイクルを繰り返すことがポイントです。ツールやメーターを活用してデータを見える化することで、節電対策の精度と継続性を高めることができます。

オフィスの節電対策で利用できる助成金や補助金の申請書類を確認する様子

オフィス向け助成金・補助金の活用法

オフィスの節電対策を進める際に見逃せないのが助成金や補助金の活用です。空調や照明の更新、LED導入やエネルギー管理システム(BEMS)の導入には初期投資が必要ですが、国や自治体の補助制度を利用することで負担を大きく軽減できます。

主要助成金・補助制度の概略

ここでは、代表的な5つの制度を紹介します。

なお、これらの補助制度は毎年度の公募要領で補助率や上限額、対象範囲が変更される場合があります。申請を検討する際は必ず最新年度の公式発表を確認してください。

申請の流れ、必要書類、よくある落とし穴

補助金の申請には、通常以下のステップが必要です。

  1. 事前相談・公募要領の確認
  2. 事業計画書の作成(設備概要・削減効果の試算)
  3. 見積書や仕様書などの添付
  4. 期日までに申請書類を提出

注意すべき点として、「申請前に契約や工事を始めてしまうと対象外になる」ケースが多いことです。また、採択率を高めるには、省エネ効果を数値で示し、費用対効果の高い計画であることをアピールすることが重要です。

助成金を見据えた投資計画の立て方

補助金は毎年募集時期が限られているため、スケジュールを逆算して投資計画を立てる必要があります。例えば「来年度に空調更新を検討している場合は、秋頃から制度を調査し、年明けに申請準備を始める」といった計画が望ましいでしょう。専門家(行政書士やエネルギーコンサルタント)と連携することで、申請の成功率を高めることも可能です。

このように、補助金や助成金をうまく活用することで、初期投資を抑えながらオフィスの省エネ化を加速できます。自社に合った制度を早めに調査し、計画的に取り入れることが重要です。

オフィスの節電対策を計画的に進めるロードマップのテンプレート図

節電ロードマップ・テンプレート

節電対策は「やると決めた」だけでは成果につながりません。計画を立て、担当者と期限を明確にし、定期的に振り返ることで、初めて継続的な効果を生み出せます。この章では、6か月で進めるロードマップと、実務で使えるチェックリストをご紹介します。

6か月でできる計画ロードマップ

まずは半年間を目安に段階的に取り組むのが現実的です。以下は一例です。

  • 1か月目:電力使用量の現状把握(スマートメーター導入、照度測定、設定温度確認)
  • 2か月目:運用改善(空調のタイマー設定、OA機器のスリープモード徹底)
  • 3か月目:照明のゾーニングや人感センサー導入
  • 4か月目:老朽化した機器の更新計画を立案
  • 5か月目:補助金情報の収集と申請準備
  • 6か月目:改善効果の測定(前年同月比)、次年度の計画策定

このようにタスクを分割し、週次・月次で進捗を管理することで、着実に効果を積み上げることができます。

KPIつきの実行テンプレート

実務では、以下のような簡易テンプレートを用意すると便利です。

タスク担当者期限予算KPI
空調設定温度の見直し総務部5月末0円夏季ピーク電力 -10%
LED照明導入施設管理7月末200万円照明電力 -50%
プリンタスリープ設定IT部即日0円OA機器待機電力 -70%

このような形式で進めると「誰が」「いつまでに」「どのくらいの効果を目指すか」が明確になり、組織全体の合意形成もスムーズになります。

オフィスの節電対策で電気代削減を実現し喜ぶ社員たちのイメージ

まとめ|オフィスの節電を実現するために

ここまで、オフィスの節電対策について、空調・照明・IT機器・電力分析・補助金活用・実行計画の観点から解説してきました。節電は単なるコスト削減にとどまらず、CSRやBCPの強化にもつながる戦略的な取り組みです。最後に、重要なポイントを整理し、すぐに実行できるアクションを提示します。

今日からできる3つのポイント

オフィスの節電対策でまず取り組むべきは、初期投資が不要で即効性の高い施策です。以下の3つを今日から実行してみましょう。

  • 空調の設定温度の見直し:設定温度を1℃調整するだけで、約10%の消費電力削減。
  • 照明のゾーニングと不要な点灯の削減:会議室や窓際の照明を必要なときだけ点灯し、ムダを排除。
  • OA機器のスリープ設定:PCやプリンタを自動スリープに設定。待機電力を大きく下げられる可能性あり。

効果測定の短期・中期の目安

施策を導入したら、必ず効果を数値で確認しましょう。短期的には「前月比の電気代削減額」を、中期的には「前年同月比の電力使用量」を指標にするのがおすすめです。また、サブメータリングやダッシュボードを活用すれば、部門ごとの成果を見える化でき、従業員の意識改革にもつながります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 節電対策は従業員に我慢を強いることになりませんか?

A1. 設定温度や照明の最適化は、快適性を損なわない範囲で実施可能です。人感センサーや自動制御を活用すれば、無理なく節電が進められます。

Q2. 投資を伴う節電対策はどれくらいで回収できますか?

A2. LED照明は2〜3年、空調の高効率機器は5〜7年程度が目安です。

Q3. 社内で協力を得るためにはどうすればよいですか?

A3. 削減効果を金額やグラフで示すことが効果的です。経営層にはROI、従業員には快適性の維持を強調すると納得感が高まります。

Q4. まず専門業者に相談すべき内容は何ですか?

A4. 空調更新やLED導入など初期投資を伴う施策です。信頼できる電気設備工事業者に相談し、自社に合った最適プランを提案してもらうことをおすすめします。

節電は「一度やって終わり」ではなく、継続して改善していく活動です。短期的な改善+中長期的な投資を組み合わせて進めることが成功の秘訣です。

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